ブラビアの次世代バックライト技術!バックライトマスタードライブ(Backlight Master Drive)について
今回は1月にラスベガスで開催されたCES 2016のプレスカンファレンスで公開されたSONYの次世代技術「バックライトマスタードライブ(Backlight Master Drive)」についてです。
日本で登場する機種に搭載されるかはわかりませんが、HDR(ハイダイナミックレンジ)の映像をより美しく再現するのに必要な技術です。
なので、バックライトマスタードライブかそれに類するものが将来的に日本に登場してもおかしくありません。
バックライトマスタードライブ搭載のとんでもない機種が発表されました!
Z9Dシリーズです。
ラインナップは65インチ、75インチ、100インチとなっています・・・って100インチ!?
100インチのモデルの価格はなんと700万円+税!
オンリーワンなモデルだからこその価格ですね。完全受注生産のようです。
商品詳細ページを見るだけならタダです(笑)
>>2016年秋冬モデルブラビア「Z9Dシリーズ」製品情報ページ
X9300Dシリーズに搭載されているSlim Backlight Driveと似ているのですが、種類や性能が違うので、そういった点も踏まえてまとめました。
現在のテレビ市場では、4Kの次の訴求ポイントとして"HDR(ハイダイナミックレンジ)"対応とHDR映像をいかにきれいに映せるかという風に各社の争点が移ってきています。
Backlight Master Driveもそういったストーリーの中にある機能だということを認識しておくと、理解が早くなるかもしれません。
4KやHDRについては下記をご覧ください。
4K・8K・HDRをわかりやすく説明していたメ~テレの展示をレポート
今回記事に登場する数値や内容については、こちらの2記事を参考にしました。
ソニー「Backlight Master Drive」から見る、テレビ製造トレンドの変化 - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
<CES>消費電力はそのまま高輝度4,000nit実現。ソニー「Backlight Master Drive」の秘密
バックライトマスタードライブは直下型部分駆動の進化形
液晶テレビは、液晶に光を当てることで映像を表示しています。
現在は、液晶に光を当てる光源としてLEDバックライトを利用するのが一般的です。
このLEDバックライトが配置してある場所でバックライトシステムは大きく分けて2通りに分けられます。
"直下型"と"エッジ型"です。
- 液晶の真後ろにLEDを配置する→直下型
- 液晶の端にLEDを配置する→エッジ型
簡単に言うと、バックライトマスタードライブは「"直下型LEDバックライト"+"X-tended Dynamic Range PRO"」を発展させたものになります。
従来の直下型LEDバックライトよりも、高輝度を実現しながら、消費電力はほぼ変わらないようです。
ちなみに、X9300Dシリーズに搭載されているSlim Backlight Driveはエッジ型を発展させたものです。
X-tended Dynamic Range PROも搭載しています。
HDRのポイント
従来の映像(SDR)では、データを圧縮したときに「色の輝度」などの情報が失われていました。
失われていた情報をテレビ本体の努力(ブラビアではX-Reality Proなど)で復元して綺麗な映像を表現しようとしていたわけです。
SDRという規格がテレビの画質の進化から置いていかれていたという風にも言えます。
そこで、新しくHDRという規格が登場しました!
HDR映像をより美しく再現するのに必要な能力
HDRの話をするときは輝度の話が中心になってきます。
というのも記録している輝度の情報量が全く違うからです。
SDRを1とするとHDRはなんと100!
もちろん、情報量がたくさんあっても、再現できなければあまり効果はありません。
ハイレゾ音源があっても、スピーカーがあまり良くないとハイレゾ音源を十分楽しめないのと同じイメージです。
HDRを再現するのに必要なのが、コントラスト(明暗の差)をしっかりと表現できる能力です。
「明るい部分は明るく、暗い部分は暗くする」というのは当たり前ですが、この基本的なことを高いレベルで行っているわけです。
2016年春モデル4Kブラビア最高画質。X9300Dシリーズレビュー!
色表現のクオリティーは有機ELに近い?
LGエレクトロニクスなどが販売している有機ELテレビは黒の表現力がすごいです。
反面、液晶テレビと比べると、輝度は低いです。
液晶テレビは輝度を高くすることはできますが、黒の表現力は有機ELと比べて劣ります。
その点、バックライトマスタードライブは、全体の発色やコントラストの表現力は有機ELディスプレイにも近いと表現されています。
つまり液晶テレビが持つ「輝度」と、有機ELの持つ「色の表現力」を併せ持っているわけです。
最高輝度はなんと4000nit
Backlight Master Driveの最高輝度は、約4000nitと発表されています。
※nitは輝度の単位です。
Sony Japan | ニュースリリース | CES 2016 出展について
輝度が優れている機種でもだいたい500nit~1000nit程度と言われているので、大幅に上回っていることがわかります。
最初に紹介したマイナビニュースの記事の中では、背面に高輝度LEDを1000以上搭載していると紹介されています。
さらに、部分駆動の分割数は1000以上3000未満とも書かれています。
今までとは比べ物にならないくらいの分割数が、高コントラストを実現しているようです。
引用元:Phile-web
上の画像を見ていただくとどれくらい細かく分割されているのかよくわかります。
左がバックライトマスタードライブのバックライトのみ。右がバックライトマスタードライブの通常の映像です。
バックライトのみの状態で、どういう映像かわかるレベルでエリア部分駆動(ローカルディミング)を行っています。
従来の部分駆動のエリア分割数は数十~数百というレベルでした。
なので、もし上の写真と同様にバックライトの制御だけで映像を見ると、大きなモザイク状になるイメージです。
バックライトマスタードライブでは、分割数がかなり増えたのはもちろん、ポイントごとの明るさの強弱が圧倒的に向上しています。
最高輝度4000nitだから実現できる事
UltraHD Blu-rayなどで用いる最大値は10,000nit、推奨値は1,000nit、「Ultra HD プレミアム」の基準値も1,000nit。ソニーの有機ELの4KマスターモニターBVM-X300のスペックも1,000nit。だが、実はドルビーのマスターモニター「Pulser」のスペックが4,000nitなのだ。
引用元:Phile-web
最高輝度4000nitという事は、上記の数値を見ても、今現在のHDRには十分なほどの輝度の高さを実現したと言えます。
Pulserはハリウッド映画製作現場で使用される世界に数台と言われるほどの機械で、それと同じ輝度を再現できるという事はものすごい性能だという事が分かります。
Pulserで撮影した映像をBacklight Master Drive搭載機種であれば、理論的にはHDRの画質をまったく落とすことなく見る事ができるわけです。
輝度の向上による消費電力の違いは?
高輝度LEDの搭載数が増えたという事は、単純に消費電力も上がるのでは?
普通は、そう考えますよね。
実は、バックライトマスタードライブは消費電力の問題も解決しています。
先行公開された85インチのデモ機ではソニーの現行モデルとほぼ変わらない消費電力だったと紹介されています。
LED発熱量の増加によって発生する熱に対処する冷却システムも不要のようです。
2014年モデル(X9500BシリーズやX9200BシリーズなどのB番台)のブラビアから搭載されているX-tended Dynamic Range PROを利用して、暗い部分と明るい部分の電力配分を変えてやることで、全体的な消費電力を増やすことなく輝度向上を実現しているようです。
今後ブラビアの展開に注目
ラスベガスでのバックライトマスタードライブの発表はいわゆるプロトタイプで行われました。
デモ機として登場したのは85インチだったことや、バックライトマスタードライブの性能からも、おそらくフラッグシップモデルに搭載される機能になりそうです。
ソニーストアでは75インチのX9400Cシリーズが入荷終了となっています。
開発状況にもよりますが、タイミング的には次のフラッグシップモデルに搭載されていてもおかしくないと思います。
2016年秋冬か2017年春にバックライトマスタードライブ搭載機種の登場を期待したいですね。
待てない方は、2016年春モデルブラビア最高画質のX9300Dシリーズがオススメです。
2016年春モデル4Kブラビア最高画質。X9300Dシリーズレビュー!
登場を期待したいですねなんて書いていたら、登場しました!
Z9Dシリーズです。
ラインナップは65インチ、75インチ、100インチとなっています。
気になる100インチのモデルの価格はなんと700万円+税!
KJ-100Z9Dは、フラッグシップモデル中のフラッグシップですね。
商品詳細ページを見るだけならタダです(笑)
>>2016年秋冬モデルブラビア「Z9Dシリーズ」製品情報ページ
愛知・岐阜・三重でテレビの壁掛け工事やってます。
テレビの壁掛けは「空間」と「安全」への投資です。
オシャレな空間を演出し、地震にも強くなる。
掃除もしやすい上に、小さいお子さんやペットがうっかり倒してしまう心配もありません。
一石二鳥にも一石三鳥にもなるのがテレビの壁掛けです。
カトーデンキはテレビの壁掛けをオススメしています。
東海三県にお住まいの場合は、カトーデンキにぜひご相談ください!
壁掛け工事の流れや料金表、よくある質問などについては「詳細ページへ」からご覧ください。
2016/08/30